2025/07/21 02:25

完璧でなくていい。
むしろ、整いすぎたものには、心が動かない。
KAIJI ENDOが選んだ革、それが「マリアム社製のイタリアンホースバット」。
そして、その革の“素顔”を最も美しく引き出す構造が、「トラッカーウォレット」である。
この財布は、完璧に仕上がってはいない。
あなたの手と時間によって、ようやく完成に向かう余白がある。
なぜ、ホースバットなのか?
この革は、馬の臀部=バット部分を植物タンニンでじっくり鞣し、バケッタ製法で芯までオイルを染み込ませている。
適度な油分による、さらりとした質感と微光沢。時間とともに深まる色の奥行き。
コードバン層由来の革密度によって、しっかりとしたコシを備えている。
仕上げは「素上げ」。傷もシワも、隠さない。
つまり、この革にはごまかしが効かない。
だが、それだけに使い込むことでしか見えてこない真の表情がある。
なぜ、トラッカーウォレットなのか?

このホースバットの魅力をもっとも深く引き出す構造が、トラッカーウォレット。
コイン・フリーポケット・札入れに加えてカードは約20枚収納可能。
マチ付き・仕切り付きのフラップ型コインケースや、フラップ干渉を避けるための無ポケット設計。
すべてが「使いやすさのための機能美」に貫かれている。
だがこのトラッカーウォレットの核心は、裏張りをしていないことにある。
床面(革の裏面)を剥き出しにしたまま仕立てることで、コインの汚れ、手の脂、汗による黒ずみがそのまま刻まれる。
それは汚れではなく、あなただけの歴史となって革に残る。
大手ブランドが避ける仕様だからこそ、ここには革との濃密な関係性がある。
仕立てに妥協はない。

この COW&HORSEシリーズ トラッカーウォレットは、ブランドの中ではエントリーライン。
だが、製法は最高ラインと変わらない。手裁ち・手縫い・磨き仕上げ。
日常にこそ「強さ」が必要だと考える人にとって、最適な器となる。
高価なクロコダイルに惹かれた人が、この革に戻ってくることがある。
それは価格ではなく、使い込むことでこそ得られる実感があるから。
馬革に宿る“意味”について

馬は、東洋・西洋を問わず「幸運」や「前進力」の象徴として尊ばれてきた存在だ。
神社に奉納される“神馬”は、願いを神に届ける神聖な使者であり、戦場では人とともに駆け、背中を預ける「忠誠と守護」の象徴でもあった。
西洋でも、馬は豊穣や魂の導き手とされ、蹄鉄(ホースシュー)は今なお「幸運のお守り」として世界中で愛されている。
その背には、人の願いと物語を受け止める力が、古くから託されてきたのだ。
このホースバットは、そんな馬の中でも“推進力の源”とされる臀部(バット)から切り出されている。
しっかりとした革密度とコシ、そして変化を受け入れる柔軟性。
それは、人生の荒波にも向き合う「道具としての覚悟」すら感じさせる。
ただの素材ではない。
それは“縁起を宿す革”であり、あなたのこれからを支え、運を運ぶ器となる。
革と生きるという選択

KAIJI ENDOの製品にはブランドロゴが入っていない。
残るのは、あなたが触れた痕跡だけ。
革があなたに馴染むのではない。
あなたが革に馴染み、寄り添い、育てていく。
それを受け止める準備ができているなら——
ホースバットは、あなたのための革になる。
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