2025/09/16 14:27

完璧でなくていい。
むしろ、整いすぎたものには、心が動かない。
Kaijiendoが選んだ革、それが「マリアム社製のイタリアンホースバット」。
そして、その革の“素顔”を最も美しく引き出す構造が、「トラッカーウォレット」である。
この財布は、完璧に仕上がってはいない。
あなたの手と時間によって、ようやく完成に向かう余白がある。
なぜ、ホースバットなのか?

この革は、馬の臀部=バット部分を植物タンニンでじっくり鞣し、バケッタ製法で芯までオイルを染み込ませている。
適度な油分による、さらりとした質感と微光沢。時間とともに深まる色の奥行き。
コードバン層由来の革密度によって、しっかりとしたコシを備えている。
仕上げは「素上げ」。傷もシワも、隠さない。
つまり、この革にはごまかしが効かない。
だが、それだけに使い込むことでしか見えてこない真の表情がある。
なぜ、トラッカーウォレットなのか?
このホースバットの魅力をもっとも深く引き出す構造が、トラッカーウォレット。
コイン・フリーポケット・札入れに加えてカードは約20枚収納可能。
マチ付き・仕切り付きのフラップ型コインケースや、フラップ干渉を避けるための無ポケット設計。
すべてが「使いやすさのための機能美」に貫かれている。
だがこのトラッカーウォレットの核心は、裏張りをしていないことにある。
床面(革の裏面)を剥き出しにしたまま仕立てることで、コインの汚れ、手の脂、汗による黒ずみがそのまま刻まれる。
それは汚れではなく、あなただけの歴史となって革に残る。
大手ブランドが避ける仕様だからこそ、ここには革との濃密な関係性がある。
仕立てに妥協はない。

この COW&HORSEシリーズ トラッカーウォレットは、ブランドの中ではエントリーライン。
だが、製法は最高ラインと変わらない。手裁ち・手縫い・磨き仕上げ。
日常にこそ「強さ」が必要だと考える人にとって、最適な器となる。
高価なクロコダイルに惹かれた人が、この革に戻ってくることがある。
それは価格ではなく、使い込むことでこそ得られる実感があるから。
革と生きるという選択

残るのは、あなたが触れた痕跡だけ。
革があなたに馴染むのではない。
あなたが革に馴染み、寄り添い、育てていく。
それを受け止める準備ができているなら——
ホースバットは、あなたのための革になる。