それは、形を作ることではなく、
時間を整えること。
一針ごとに呼吸を合わせ、
その静けさの中で形を得ていく。

『スモールクロコダイル』とも呼ばれるイリエワニは、オーストラリア北部から東南アジアにかけて生息するクロコダイルで、レザー業界では、学術名であるポロサス(Porosus)とも呼称されます。 その腑模様の美しさと希少性から、しばしば「キング・オブ・クロコダイル」と称されます。竹腑に対して細かい丸腑、しっとりとした柔らかさと光沢感が最大の特徴で、洗練された上品な印象を演出します。 この革はワニ革市場全体の取引量のうち約7%程度しか流通しておらず、クロコダイルレザーの中でも希少性の高い種類です。その理由は、成長が遅く気性も荒いので生傷も多く、品質の良い個体を得るのが困難であるためです。そのため、世界的にトップブランドがこぞって採用することで価格も高騰し、今後さらに希少価値が高まることが予想されています。

『ナイルクロコダイル』は、アフリカのナイル川流域に生息する大型種で、レザー業界では学術名であるニロティカス(Niloticus)とも呼称されます。 長方形に近い竹腑と、くっきりと大きな丸腑が最大の特徴で、それらが力強さと存在感を際立たせます。 ワニ革市場全体におけるナイルクロコダイルの取引量は、約25%前後とクロコダイルとしては最も流通していますが、それでも年間数十万枚規模と限られた供給量しかありません。一方、牛革は年間数億枚規模で取引されており、ワニ革市場全体の取引量はそのわずか数千分の一にすぎません。この圧倒的な差が、ナイルクロコダイルをはじめとするワニ革が特別な価値を持つ理由のひとつです。

Kaijiendoでは、CITESを遵守した正規の生産元からのみクロコダイルレザーを仕入れています。CITESは絶滅の恐れがある野生動植物の国際取引を規制する条約であり、当ブランドでは合法的かつ倫理的なルートで輸入された革のみを使用しています。

CITESを遵守したタンナーから仕入れた革には生産元が発行するタグや管理番号が付与されており、トレーサビリティ(追跡可能性)が確保されています。これにより不正な取引を排除し、お客様に安心してお使いいただける製品を提供しています。
仕入れたクロコダイルレザーの中から職人が一枚ずつ厳選し、部位や状態を細かく確認したうえで製品に使用しています。天然素材ならではの個体差を尊重しつつも、基準を満たしたもののみを採用することで、長期にわたりご愛用いただける品質を担保しています。
Kaijiendoが追い求めるのは、
革そのものが持つ力を最大限に引き出した最高傑作です。
クロコダイルは古来より、
財布に用いると「幸運を呼ぶ」とされてきました。
獲物を決して離さない強靭な顎は、幸運をしっかりと掴む象徴。最上の部位である腹部は、しなやかさと耐久性を備え、運を安定して育む基盤。そして力強い尾は、未来を切り拓く力を表します。
それらの意味を宿した一枚から生まれものは、
ただの財布ではなく、
あなたと共に繁栄を刻む相棒となるでしょう。
忘れられた文化を未来へ導く。
ブランドの出発点は、時代とともに衰退した
「トラッカーウォレット」。
かつて労働者や旅人の実用品であったその象徴を、希少なクロコダイルやホースバットといった革で再構築し、19世紀から受け継がれる手縫いの技法によって現代に蘇らせた。
私たちが創るのは、単なる革財布ではない。
痕跡を敬い、未来へと組み直すことで、それは時代を越えて生き続ける物語となる。
一点ごとに異なる革の表情は、選んだ人だけの歴史を刻み始め、やがてその変化は、世界に二つとない“あなただけの証”へと育っていく。
選ばれた方だけが触れられる物語の断章。
ゲリラ販売の予兆と、〈毎月25日〜月末〉の限定販売をご案内します。