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2025/10/12 21:20

完成の先に、なお光を滲ませる者がいる。
「APOTHEOSIS(アポテオシス)」は、MASTERPIECEで築かれた静寂を越え、外と内の両面にクロコダイルの腹を宿した構造である。
被せと受けが重なり合うたび、腹の腑が呼応し、その内側でホースバットが静かに全体を支える。
それは、Kaijiendoが定義する“運の創造”である。

外と内 ─ 呼応する力

MASTERPIECEが「外に整えた秩序」であったなら、APOTHEOSISは「外と内が共鳴する構造」である。
被せのクロコが外界を受け止め、受けのクロコがその力を内へ返す。
二つの腹が視覚的に重なり合うその瞬間、内外の境界は消え、構造はひとつの器として完結する。
そこにあるのは、流れを超えた“満ちる静けさ”である。

馬 ─ 静寂の基盤

ホースバットは、見えぬ場所で全体を結ぶ大地である。
クロコダイルの緊張を受け止め、安定へと導く。
馬革の繊維は柔らかく、しかし強い。
その静かな支えがあることで、二枚の腹は対立せず、ひとつの呼吸を保ち続ける。
見えぬ部分こそ、構造の要である。

見える静寂 ─ 滲み出る祈り

外から見れば、すべてがクロコダイル。
どの角度からも、沈黙の光沢が続いている。
だがその内側には、馬革の温度が息づいている。
この作品における“見える贅沢”は、誇示ではなく、“内の祈り”を外に伝えるための構造である。
それは、沈黙の中にわずかに現れる、成熟の呼吸だ。

APOTHEOSISという選択

APOTHEOSISを所有するということは、“運を扱う者”から“運を生み出す者”への選択である。
掴むでも、進むでも、肥やすでもない。
内と外が同じ息をし、ただ静かに存在する。
その完全な静寂こそが、神話の証であり、Kaijiendoが到達した最終構造である。





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