JOURNAL

2025/08/03 18:35

完璧でなくていい。
むしろ、整いすぎたものには、心が動かない。
KAIJI ENDOが選んだ革、それが「マリアム社製のイタリアンホースバット」。
そして、その革の“素顔”をもっとも自然に引き出す構造が、
この小さな器「トラッカーズミニ」である。
大げさな装飾も、過剰な収納力もいらない。
手のひらに収まり、日常を記録するための最低限。
それでいて、革の美しさと変化を誰よりも近くで感じられる。
この財布には、そんな贅沢が詰まっている。

なぜ、ホースバットなのか?

馬の臀部——通称「バット」は、繊維密度が高く、コシがある。
そこに、植物タンニン鞣しとバケッタ製法でオイルを染み込ませたこの革は、
さらりとした質感と、静かな光沢を持ちながら、
時間と共に“深み”という名の個性を育てていく。
仕上げは「素上げ」。
キズもシワも隠さず、そのまま見せる。
ごまかしが効かないからこそ、使い込んだ者にしか見えない景色がある。
それが、この革の魅力であり、覚悟でもある。

なぜ、トラッカーズミニなのか?

ミニサイズとは、ただ小さいという意味ではない。
「必要なものだけを持ち歩く」という選択であり、
「常に手の中にある」という密接さでもある。
KAIJI ENDOのトラッカーズミニは、ただ小さくしただけではない。
名刺が収まり、紙幣が三つ折りで入る実用性を備えながら、
内装にはあえて同じ革で裏張りを施し、両銀面仕様に仕立てている。
つまり、どこに触れてもホースバット。
床面のざらつきや毛羽立ちは存在しない。
この仕様がもたらすのは、手触りだけではない。
“革に触れるすべての面で、経年変化を愉しむ”という体験そのものだ。

小さな器が記録するもの

トラッカーズミニは、カード・札・小銭を無理なく収め、
そのすべてに「触れた痕跡」を残していく。
名刺の跡。紙幣の折り目。ポケットの湿度。
それらが革の色を変え、艶を増し、時間を刻む。
大きな変化ではなく、小さな蓄積。
けれどそれは、確かにあなただけの軌跡となる。

馬革に宿る“意味”について

馬は、古来より「前進力」「守護」「幸運」の象徴として
東洋・西洋を問わず敬われてきた。
このホースバットは、そんな馬の中でも
“推進力の源”である臀部から切り出されたもの。
その革密度とコシは、日常に耐える強さを持ち、
一方で変化を許す柔らかさも持ち合わせている。
単なる素材ではない。
それは“縁起を宿す革”であり、
あなたのこれからを支える小さな相棒となる。

革と生きるという選択

KAIJI ENDOの製品には、ブランドロゴがない。
残るのは、あなたが触れた痕跡だけ。
このミニ財布は、飾るためのものではない。
触れ、持ち歩き、使い込むことで、ようやく完成に近づく。
もしあなたが、“変化を受け入れる覚悟”を持っているなら——
ホースバットは、その変化を誰よりも静かに受け止めてくれるだろう。

▼COW & HORSEシリーズ「トラッカーズミニ」製品一覧

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