JOURNAL

2025/06/05 02:58

外に語らず、内に宿す。
革製品における「価値」は、しばしば目に見える豪奢さによって測られます。
目立つ素材、主張するディテール、それらが“高級”を象徴する。
そんな常識に対し、KAIJI ENDOが投げかけた問いがあります。
「贅沢とは、見せるためのものなのか?」
BLACK INSIDEは、表に語らず、内に宿す贅沢。
内装にこそ最高素材を配し、自分だけがその価値を知るという、沈黙の思想です。

最上位構造という誠実さ

BLACK INSIDEの構造は、ブランド内でも最上級仕様。
外装・内装には同じ革を用い、フラップに裏張りを施した両銀面構造により、床面を一切見せない仕立てを実現しています。
この構造により、触り心地・強度・密度感のすべてがCOW&HORSEシリーズを凌駕します。
外見には現れないが、確かに手に残る「密度ある手応え」。
それが、BLACK INSIDEが“内なる贅沢”であることの証です
使用されている革自体は、ホースバットやクロムエクセルといったKAIJI ENDOで長く愛されている定番素材。
しかし、それらを裏張りで仕立て直し、構造・密度・仕上げの工程を最上位レベルで組み上げることで、
同じ素材であってもまったく異なる存在感と質量感を持ったプロダクトへと昇華しています。

黒く沈む、クロコダイル

そしてこの構造の中で、ただ一ヶ所だけ“異物”として存在する革。
それが、コインケースのフラップ裏に密かに貼られた黒いクロコダイルです。
外からは決して見えないその場所に、KAIJI ENDOはあえて希少なクロコダイルの「腹部位」を用いています。
この部位は、古来より“財を肥やす”象徴とされる場所。
水を象徴するクロコダイルの腹は、「富を内に蓄え、外に漏らさぬ」という縁起を宿します。
誰の目にも触れない場所に、最上の革と意味を忍ばせる。
それは、単なる装飾ではなく、“持つことで祈る”という選択なのです。

自分だけが知っている“裏側”

BLACK INSIDEを手にしても、誰もその贅沢に気づかないかもしれません。
だが、カードを取り出す瞬間、コインを支払うわずかな動作の中で、
その黒い革がふと目に入るたび、静かに高揚感が立ち上がる。
他者の評価ではなく、自分の感性とだけ響き合う構造。
BLACK INSIDEとは、「持つという美学」そのものです。

BLACK INSIDEとは何か?

それは、見えない部分にこそ最高を込めるという思想
表には語らず、内に語らせる。
語らないことで完成する“沈黙の構造”。
この財布は、ただ機能や素材で語るものではありません。
それは、自分の中にだけ静かに宿る、美学のかたちです。

静かに語りかけてくるこの構造に、耳を澄ませられる人へ──

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