2025/05/19 11:49

掴んだものを、二度と離さない。
そんな強さとしなやかさを備えたクロコダイルの腹部と、
ワイルドに育つ馬革ホースバットを組み合わせた一作です。
表と裏、異なる野性をひとつにまとめ上げました。
センターカットされたポロサスの腹

外装には、スモールクロコダイル(ポロサス)の腹部を贅沢に使用。
腹部はワニ革の中でも最も上質とされ、竹腑の整った模様と滑らかな手触りが特徴です。
センターカットで腑模様の美しさを最大限に活かしながら、
「財を掴んで離さない」という縁起物としての意味も込められています。
裏と内装には、マリアム社のホースバット

内装および裏面には、イタリア・マリアム社が鞣すホースバットを使用。
臀部特有の高密度な繊維構造に、バケッタ製法でたっぷりと油脂を含ませた馬革は、
経年によって表面の黒が擦れ、茶芯がゆっくりと現れていきます。
素上げ仕上げのため、トラや小傷、色ムラもそのまま残されており、
「使うことで完成していく革」としての表情が濃く感じられます。
構造と仕立て

3層構造のトラッカーウォレット。
1層目に仕切り付きコインケース、2層目にフリーポケット、3層目に札室を配置。
各層の隙間にカードを収納でき、合計で約20枚ほどを収容可能です。

外装のフラップには7050ホックを使用。手応えのある操作感と高い耐久性を両立し、
金具はすべて真鍮無垢製で経年変化とともに革と調和していきます。
異素材の対話

このウォレットには、ただの「贅沢さ」ではなく、異なる質感と個性が交差する緊張感があります。
表面は整然とした腑模様のクロコ。内装には無骨なホースバット。
ひとつの財布の中で、革ごとの主張が重なり合いながらも、調和する。
その佇まいは、まさに**「使う者と共に成長する相棒」**という表現にふさわしい一品です。